2026年埼玉県人事委員会勧告の概要について
地方公務員は民間企業の従業員とは異なり、争議権(ストライキ)や団体交渉権の一部(協約締結)が制約されています。その代償措置として、人事委員会による給与勧告の制度が設けられています。
給与勧告は、人事委員会の調査の結果により、公務員の給与水準と民間の給与水準を均衡させることを基本に行うとされています。埼玉県人事委員会は10月15日に勧告を行いました。
この中で人事委員会は、特別支援教育に携わる教員に支給されている「給料の調整額」について、「国の方針を踏まえ、適切に対応する必要がある。」としています。これは、特別支援教育の専門性の否定にほかなりません。今後、県当局に対して、削減を行わないよう交渉を通じて強く求める必要があります。
「主務教諭」については、ほぼ昨年度と同様の記述で、設置に向けた具体的な動きにつながる内容ではありません。「主務教諭」の設置は教職員のチームワークを壊すものであり、設置するべきではないと埼教連は一貫して主張しています。今後の当局との交渉で、設置しないことを確認していくことが重要です。
会計年度任用職員について、「本県においても、国の動向等を踏まえつつ、任命権者において会計年度任用職員に対する諸手当の支給の要否について整理・検討し、その結果に応じて適切に対応する必要がある。」としています。今後の交渉で、扶養手当及び住居手当の支給を実現させることが大切です。
教職員の未配置・未補充については、「最優先で解消すべき極めて重要な課題」「なお一段の努力が強く求められる。」と、昨年よりも踏み込んだ表現となっています。
埼玉県人事委員会勧告→埼玉県のサイト
給与勧告
月例給
平均3.39%引上げ ← 民間給与より3.40%(13,625円)下回る。
中堅層以上の職員について前年を上回る改定
初任給引上げ
再任用職員の月例給を改善(2026年4月から実施)
特別給
年間支給月数を0.05月分引上げ(年間4.65月分 → 4.70月分)
手当の見直し
転居に関する手当
60km以上の異動に伴い転居した職員を対象とする手当を国に準じて新設。(必要な法令上の措置が講じられた場合)
職員の給与に関する意見(教職員に関する部分から抜粋)
給料の調整額
「令和9年1月から特別支援学級等の教師に支給される給料の調整額の4分の1相当が縮減されることとなった。本県においても、職務や勤務の状況に応じた給与という観点から、国の方針を踏まえ、適切に対応する必要がある。」
主務教諭
「本県においては、今後も法令の趣旨や他の都道府県の状況等に留意しつつ、引き続き対応について検討を進めていく必要がある。」
会計年度任用職員
「厚生労働省は同一労働同一賃金ガイドラインを改正し、令和8年10月から適用している。同ガイドラインは公務員に直接適用されるものではないが、こうした動向を踏まえ、人事院は令和8年7月に国家公務員の非常勤職員の給与に関する指針を改正し、任期が相当程度長期にわたる非常勤職員について、扶養手当及び住居手当に相当する給与の支給に努める旨を明記した。
本県においても、国の動向等を踏まえつつ、任命権者において会計年度任用職員に対する諸手当の支給の要否について整理・検討し、その結果に応じて適切に対応する必要がある。」
人事管理に関する報告(意見)(教職員に関する部分から抜粋)
未配置・未補充の解消
「未配置・未補充は、教職員の事情に応じた休暇取得の抑制要因となり得るなど、最優先で解消すべき極めて重要な課題である。
未配置・未補充の解消は、教職員が働きやすく能力を遺憾なく発揮し得る環境を整えるにとどまらず、児童生徒が質の高い教育を受ける環境を確保し、本県の教育水準の向上を図る上でも不可欠である。県教育委員会は、ペーパーティーチャーセミナーの実施、産休・育休取得が見込まれる教員の代替として正規教員を配置する取組等を進めているところであるが、なお抜本的改善には至っていない。
ついては、教員人材の確保に資する取組を一層推進し、未配置・未補充の解消に向け、なお一段の努力が強く求められる。」
ストレスチェックの有効活用
「任命権者が実施するストレスチェックの受検率は令和7年度に9割を超えていることから、各任命権者は、結果を十分に踏まえ、対策をより効果的なものへ不断に更新していく必要がある。」
熱中症対策
「夏期の著しい気温上昇傾向が常態化し、適切な対策を講じなければ職員の健康に重大な支障を来しかねない状況にある。
熱中症リスクが高い環境での業務又は作業については、所属において作業時間及び装備の管理を徹底するとともに、労働安全衛生の確保のため執務環境の整備を早急に進め、職員の健康確保を第一とした対策を講ずる必要がある。」

