5月13日、中央教育審議会(中教審)「質の高い教師の確保特別部会」から「『令和の日本型学校教育』を担う質の高い教師の確保のための環境整備に関する総合的な方策について(審議のまとめ)」が提出されました。

新聞報道では大きく取り上げられ、私たち教職員の中からも歓迎される声が聞こえますが、果たして本当にそうでしょうか。

教職調整額の4%が、10%になるんだって
お給料が増えるね!

これは、ホントに喜べることなのかな?
ためしに、今日の残業代を計算してみて!

今日の残業代は?

教員は残業代が出ません。でも、ちょっと計算してみましょう。
おどろきの金額になるかもしれません?

月給を入力 
(↑自身の月額の基本給を記入)

今日の残業時間を入力 時間
(↑1日の残業を時間単位で記入)
(例)3時間45分=3.75時間)

今日のサービス残業0

※ 1時間あたりの時間外手当 計算手順(あくまでも、参考のための計算手順です)
 (時給)×1.25(時間外割増分)
 (時給)=(月給×12か月)÷(38時間45分×52週)

※ このフォームの計算には反映されていませんが、22時以降や休日は さらに割増です。
 (深夜の割増率は1.5倍、休日は割増率は1.35倍)

全北海道教職員組合と北海道高等学校教職員組合のご協力で、フォームを作成しました。

えっ、本当だったらこんなにもらえるの?

教職調整手当10%って、残業代15時間分くらいにしかならないじゃない!
ぜんぜん足りないよ

そうなんだよ
企業に対して、割増の残業代を支払わせることで、
時間外勤務を抑制させているんだ
教職調整手当が10%になっても、ただのゴマカシ!

残業代を適用させなければ、
いっそうの長時間労働が強いられてしまい、
「定額働かせ放題」は変わらないよ

教職調整額が10%になっても、
時間外勤務に歯止めがかからないんだ

長時間過密労働の実態が、改善するわけないね

教職調整額とは

「勤務の特殊性」に照らした措置として、教員には残業代が支払われません。本俸の4パーセントが、教員調整額として加算されるだけです。

算定の基礎は、1966年度の文部省調査における時間外勤務の実態。

小学校中学校全日制高校定時制高校
週2時間30分週3時間56分週3時間30分週2時間6分
1966年度の文部科学省調査による教員の時間外勤務の平均

当時、文部省は上の表から勤務時間として認定されない時間を差し引き、実質的な超過勤務時間の平均を週1時間48分(勤務時間の4%)として、算出したとのことです。

実態に合わせて、率を上げたらよいのでは?

1966年度の時間外勤務の実態と比べ、現在の教職員の働き方はどうなっているのでしょうか。

2022年に実施された全教の「教職員勤務実態調査」によると、教諭の時間外勤務(持ち帰り仕事を含む)の平均は、月96時間10分。(小学校:93時間48分、中学校:113時間44分、高校:95時間32分、特別支援学校:70時間26分)

教職調整額を10%に上げても、実態に合いません。仮に この時間外勤務をもとに教職調整額の支払いを求めたとしても、過労死ラインの実態をそのまま認めることになり、長時間労働の解消につながりません。

給特法を改正し、時間外手当支払いの適用を

教員には時間外手当が支給されません。労基法37条の「適用除外」があるからです。私たちは、その「適用除外」を外し、教員にも時間外手当支払いの仕組みが適用されるよう、給特法を改正することを求めています。

「メリハリある給与体系」を活発にすることで、
職場が分断されることも心配されるね

それに、財務相は財源について、
「文科省施策全体の歳出・歳入両面の見直しをして財源を捻出」
するように求めていんだよね
まったく、ひどい話だ

そもそも、持ち授業時数の上限を設けることや、
教職員定数を増やすことをせずに、
加配定数増だけで対応するということもお粗末だよ

そうだったんだ
知らない事ばかりだったなあ

いまからでも、一緒に学習しよう!
全教の書記長談話や、北海道のなかまがつくった
わかりやすい動画があるよ

学習資料

全教書記長の談話・声明

2024.4.24 【談話】これでは長時間過密労働は解消できない!-中教審特別部会「審議のまとめ(素案)」の問題点-

2024.5.15 【声明】中教審・質の高い教師の確保特別部会の「審議のまとめ」では長時間労働は解消しない

全北海道教職員組合【道教組】公式YouTubeチャンネルより

中教審答申を受けた全教書記長談話の解説
中教審「審議のまとめ」を読み解くポイント ー 乗ずる数を理解しよう ー
教職調整額10%って? ①私たちの働き方編
教職調整額10%って? ②残業代シミュレーション編
中教審「審議のまとめ」を理解するために大事なこと ー 審議のまとめを受けた改訂版 ー

全教7つの提言(中教審の働き方改革にかかわる給特法改正の要求や子どもの教育にもかかわる具体的な方針)

問題点がよくわかったけど、
もう決まったことなんでしょう?
困ったなあ

まだ大丈夫!
パブリックコメントなど、
みんなの声を届けていこう!

中教審「審議のまとめ」にかかる、これからのとりくみ

中教審「審議のまとめ」には、問題点はたくさんあります。
しかし、教員の働き方が注目され50年ぶりに給特法を見直すチャンスでもあります。

埼教組は全教のなかまとともに、次のようなとりくみをしていきます。

  • 「審議のまとめ」に対するパブリックコメントのとりくみ
  • 6月1日(土)を統一行動日とする全国一斉統一宣伝行動のとりくみ
    • 埼玉では他団体と共に、埼教組定期大会の後、17:30から浦和駅頭で宣伝します。
  • 文科省にむけた職場団体決議のとりくみ
  • 中教審答申に関する学習のとりくみ
    • 埼教組では、7月6日(土)13:15から全教の壇原書記長を招き、学習会をします。
  • 文科省に教職員の声を届けるGoogle フォームのとりくみ
  • 各地方議会に、「学校の業務量に見合った教職員配置と長時間労働を抑制するため教員に残業代を支給可能とする給特法の改正を求める請願」と意見書採択のとりくみ