全教「教職員勤務実態調査2022」

多くの教職員のみなさんにご協力いただいた、全教の教職員勤務実態調査。
1月19日に、第1次集計の記者発表がありました。

この調査では、教職員のリアルな勤務実態が明らかになりました。

  • 校内での時間外勤務(4週間の平均):71時間40分 ⇒10年前調査より2時間超増加
  • 持ち帰り含む時間外勤務の合計:86時間24分 
  • 時間外勤務の上限(月 45 時間)についてみると、59.2%が超えていると回答
  • 校内での時間外勤務の分布、82.3%が上限超え、そのうち36.1%は 100 時間を超える。
  • 年代別では、30歳以下の若手の先生たちが最も過酷な勤務実態。
  • 小中では、平日1日あたり3時間以上の超過勤務をしている教職員が約半数。
  • 「長時間過密労働解消に必要だと思うこと」は、「教職員数を増やすこと」が最も多い。

詳しくは、勤務実態調査の第一次集計1月19日発表資料.pdf をご覧ください。

さてみなさん、今日の残業代は?

教員は残業代が出ません。でも、ちょっと計算してみましょう。
おどろきの金額になるかもしれません?

月給を入力 
(↑自身の月額の基本給を記入)

今日の残業時間を入力 時間
(↑1日の残業を時間単位で記入)
(例)3時間45分=3.75時間)

今日のサービス残業0

※ 1時間あたりの時間外手当 計算手順(あくまでも、参考のための計算手順です)
 (時給)×1.25(時間外割増分)
 (時給)=(月給×12か月)÷(38時間45分×52週)

※ このフォームの計算には反映されていませんが、22時以降や休日は さらに割増です。
 (深夜の割増率は1.5倍、休日は割増率は1.35倍)

全北海道教職員組合と北海道高等学校教職員組合のご協力で、フォームを作成しました。

教職調整額とは

「勤務の特殊性」に照らした措置として、教員には残業代が支払わません。本俸の4パーセントが、教員調整額として加算されるだけです。

算定の基礎は、1966年度の文部省調査における時間外勤務の実態。

小学校中学校全日制高校定時制高校
週2時間30分週3時間56分週3時間30分週2時間6分
1966年度の文部科学省調査による教員の時間外勤務の平均

当時、文部省は上の表から勤務時間として認定されない時間を差し引き、実質的な超過勤務時間の平均を週1時間48分(勤務時間の4%)として、算出したとのことです。

実態に合わせて、率を上げたらよいのでは?

2016年度の文科省調査によれば、小学校教員の時間外勤務は週18時間44分、中学校は24時間35分。平均すると、21時間40分。計算すると、教職調整額はなんと55.9%!

この率で教職調整額の支払いを求めることは、過労死ラインの実態をそのまま認めることになり、長時間労働の解消につながらないのです。

時間外手当の支払いを!

先に書きましたように、教員は、時間外手当が支給されません。労基法37条の「適用除外」があるからです。私たちは、その「適用除外」を外し、教員にも時間外手当支払いの仕組みが適用されるよう、給特法を改正することを求めています。

私たちは、次のように給特法の改正を求めます

  1. 法改正の目的を明確にするため、法律の名称を「教育職員の労働時間の適正な管理と給与等に関する法律」に改める
  2. 「超勤限定4項目」以外の超過勤務は「原則命じない」とする超過勤務禁止規定はそのまま残す
  3. 管理者に教職員の労働時間を管理する義務があることを明記する
  4. 「超勤限定4項目」を含め、労働時間の総量規制を行う
  5. 時間外・休日手当を支給しない規定を削除し、法定労働時間を超えた場合、労働基準法37条に準じて計算した賃金を支払う規定を設ける
  6. 教職調整額を、「現実に勤務した時間を事後に精算した賃金の一部支給」と見て、これを超える時間外労慟があった場合には精算する